みんしゅみ
消滅都市
運び屋の男タクヤは、依頼に応じてユキという少女を施設から連れ出す。彼女は3年前起きた「ロスト」唯一の生き残りだった。研究者のエイジとキキョウはユキの父親から「ユキ ロストで待つ」というメッセージを最近受信し、タクヤにユキをロストに送り届けてほしいと頼む。依頼を引き受けスクーターで走るタクヤだったが、突如「タマシイ」という存在に襲われる。しかし、ユキがSPアキラのタマシイを呼び出しこれに応戦。その後、二人は理由も解らないままユキの弟・ソウマに襲撃される。能力を増強するアーティファクトを巡る戦いで傷ついたソウマはエイジの別宅で保護される。 タクヤたちは奇術師のヨシアキの協力を得て、テレビ番組の生放送で『ラクーナケミカル社』の人体実験を告発する。警察はラクーナ社代表タイヨウと広報のツキを任意同行するが、警視総監の命令で解放する。一方、昏睡状態に陥っていた筈のソウマは自身に宿る能力が暴走してしまい、巨大な肉塊となって爆発した。 物語の終盤では、ユキとソウマの父・ダイチがタイヨウ、ツキと共に『平行世界』からやってきた人間であることが判明する。ダイチは応用物理学研究機構、タイヨウとツキはラクーナケミカル社に入り込み、平行世界とのポータルを作り人類を移住させる『ノア計画』を進める。しかし、ダイチは研究所の食堂で働くミフユと親しくなり、その結果としてユキが生まれる。この事に「二つの平行世界に跨る子供を産ませた」とタイヨウたちは激怒、ダイチと袂を分かつ。数年後、ダイチは一人実験装置を起動させるが、何者かによって安全装置が外され、装置は臨界を突破、都市の消滅(ロスト)が起きる。ダイチの意識は「ユキ ロストで待つ」と量子暗号を送り、これをエイジのパソコンが受信していた。 ユキとタクヤは、ロスト内部には記憶障害を起こし死に至る危険な波動性物質が充満していることを知る。一方のタイヨウはロストをポータルとして完成させるため自ら赴く。ユキとタクヤは、仲間たちのサポートを受けながらロスト内部に侵入。そこでユキは父親であるダイチの意識と再会する。彼の意識は「ユキがふたつの世界に跨る観測者であり、未来を選べる」と教える。ロストが起きない世界を示されたユキは、ロストが起きても未来を信じ生きていくと答える。異形化したタイヨウがダイチを襲うが自滅し、ダイチに抑えられる。ユキとタクヤはスクーターでロストから脱出。その後、ユキだけが路上に倒れているところを発見される。ユキはキキョウに引き取られ、徐々に日常を取り戻す。しかし、波動性物質に晒されたのが原因で、タクヤの記憶が失われていた。タクヤは行方不明のままであるが、ラストにおいて帰還をほのめかす形で物語は終わる。